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「この世界が前世にあった乙女ゲームの世界だというお話は前回しましたよね?」
「うん…実感は全く湧かないけれど」
「実はこの乙女ゲームには続きのシリーズがございまして…」
「ぞ、続編まであるの?」
「はい、人気でしたから…」
ソフィは静かに目を閉じて小さく息を吐く。まるで緊張する身体を落ち着かせているような…。そしてソフィはゆっくりと目を開いたかと思えば、何かただならぬオーラというか…熱量を背中に漂わせて、勢いよく言った。
「レオン様は二作目の隠しキャラなのです!」
「『かくしきゃら』…?」
…とはなんのことやら。はて?
「メインの攻略対象者たちとは違い、特定の条件をクリアして初めて現れてくれる特別な攻略対象者のことです! レオン様の人気は、それはもう! 凄かったのですよ! 私も何故今まで思い出せなかったのか分からないほど、レオン様のファンでした!」
と、興奮気味に語るソフィが羨ましかった。私の知らないレオンを知っているのね。いいなぁ!
「二作目のレオン様は27歳の王宮勤めの騎士でした。平民出身でありながら、周りを圧倒する確かな力量を認められ騎士の花形、近衛隊に所属しておりました」
「まあ! レオンが近衛隊に? 凄いわ、並々ならぬ努力を重ねたのでしょうね」
近衛隊とは、基本的に貴族…それもある程度の影響力のある家元の貴族しか在籍出来ない隊だと聞いたことがある。それに該当しない者は、余程の実力や功績がないと近衛隊に入隊出来ないのだ。そこに在籍していたとは、本当に凄いこと。
「それで? 27歳のレオンの恋人は?」
私はワクワクしながら何となく尋ねると、ソフィが何故か固まった。私は、『27歳のレオンの恋人はシャロンだ』という言葉が出てくるものだと疑わず、笑顔で期待の眼差しを向けていた。
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