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「……それが、非常に申し上げ難いのですが、27歳のレオン様には恋人はおりません。それどころか、今までに人を愛することを知らないとされるキャラクターでした」
「うん? 私がいるはずだけれど?」
「………お嬢様は、一作目に………まぁ、一旦そのことについては置いておきましょう。話を続けますね」
? どういうこと? レオンが人を愛することを知らないだなんて、今こんなにも私と想いを通じ合わせているのに。
「……とにかく、27歳のレオン様はある日とある少女と出逢います。その少女のことをはじめは妹のように思い愛しみ、そして次第にその想いが恋心へと変わるのです。人を愛し恋を知ったレオン様は、その少女に出会えたことを奇跡だと感じより一層、この国を守ることに注力をそそぎます」
なんて素敵なロマンス小説なの。…レオンが他の女性を愛するという内容が気にかかるけれど。
「そして遂に起こるこの世界の不幸…モンスターテンペストが起きるのです」
「まあ! モンスターテンペスト!?」
私は驚きで声をあげた。『モンスターテンペスト』。過去にも数百年単位で何度か起こった、『神の怒り』とも記される災いだ。
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