第13話(2) 勘違い

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「シャロン。私も目が覚めたよ。私の伴侶は君しかいない、やっとそう気付いたんだ。愚鈍な私を許してくれ」  これからは君を大事にする…と、愛を囁き続けるイーサン殿下を見つめながら、私は心の奥底から気色悪さを感じていた。悪寒がする…なんなの、これ…この状況。 「これからは手を取り合って共に生きよう! そして2人でこの国を導き…もちろん、子供だって…何人欲しい? シャロンが望むまで作ろう」  …公開処刑、ですか…?   足がガクガクと震え立っていられなくなる。すかさずソフィが倒れないように支えてくれた。 「…シャロン? どうした? 具合でも悪いのか?」  自身に酔いしれ愛が溢れる未来に思いを馳せ続けていた殿下が、やっと私の不調に気付いてくれたようだ。顔面蒼白な私は、ソフィに支えられながらイーサン殿下を見る。 「…………です…」 「ん? なんだって? シャロン、もう一度言ってくれ」 「いやです」 「え?」 「絶対に! いやです!」
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