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「そうか、レオンが……とにかく、ハリスが来てくれて助かった」
「ハリス様、私からも…本当に有難う御座いました」
私はハリス様に深く頭を下げる。すると彼は慌てたように「頭をあげて」と、言った。
「僕に出来ることは少ないかもしれないけれど、出来る限りのことはするから。僕でよければ頼って」
ハリス様は笑顔でそう言ってくれた。嬉しかった。私は素直に頷いて、本心から笑顔を返す。
「…僕もイーサンと同じで貴女の本質に目を向けていなかったみたいだ。シャロン嬢は、笑顔がよく似合うね」
そう言って眩しそうに、そして悲しそうに目を細め笑うハリス様。
「…さて、この騒ぎを収拾させないと。エリック、手伝ってくれる?」
「もちろん」
「ルーカス君も」
「え、俺も?」
「剣技大会3位の力を貸してもらおうかな」
「……はあ。まあ、俺でよければ協力するよ」
渋々といった様子で承諾するルーカス様にクスクスと笑っていたハリス様は、次に私に目を向けて「シャロン嬢はゆっくり休んでね」とおっしゃったので、お言葉に甘えてその場は彼らに任せ私とソフィは退散した。
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