第2話(1) 嵐の前のとある午後1

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「しかしシャロン嬢ねぇ…。レオンはああいった冷たい感じの女性が好みなんだな? 将来苦労しそうだなぁ、お前。俺はどっちかと言うと、陽だまりのような…」  よく笑う、笑顔の可愛い子がいい。  そんな事を考えていると、何故か最近出会ったばかりのリリスの顔が浮かぶ。亜麻色の髪を靡かせて、その大きな瞳を細めて笑う、とびきりの笑顔。 「…冷たい? そっか、先輩知らないんだ…あの方が大口あけて笑うこと。すごく可愛いのに」 「ん? 何か言ったか?」 「…いえ、何も」 「おっと、そろそろ戻るか。と言っても、今日は学園の設立記念日だから午後からは授業も何もないけどな」 「俺はこれからナイトベル小侯爵様が教えてくださった店に行ってみようと思います」 「そうか? じゃあ、またこの後の夜練で」 「はい、では失礼します」
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