第13話(4) イーサン・デイル・サンロード

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「……父上…」  陛下のお姿を認めたイーサン殿下は先程までの不気味な笑みをしまい込み、悲しそうな表情を浮かべる。 「シャロン、大丈夫かい?」 「え…お父様…?」  更にはお父様まで現れて心配そうな表情で私の冷たくなっていた手を握る。  お父様まで学園に? 見れば、お父様だけでなく四大公爵家当主一同が一様に陛下の後ろに並んでいた。  一体何事なの? 「お父様…何がはじまるのですか? 私、とても怖い…」 「大丈夫だよ。シャロンには何も影響のない話さ」  優しく微笑むお父様は、チラリと私を抱くレオンに目を向ける。  レオンは強ばる表情でぎこちなく会釈していた。
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