第13.5話(2) 主人公

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「ラザークくん?」  キョトンとした顔で首を傾げれば、ラザークはハッとした様子で部屋に入ってきた。  なんて暗くてどんよりした雰囲気なの…。彼の放つ負のオーラにうんざりしていると、ラザークは静かに口を開いた。 「…今日、イーサンの王太子の身分廃嫡が決議されたんだ」 「…え?」  一瞬、何を言われたのか理解できなかった私は目を丸くする。 「……イーサンが、イーサンが…」  ラザークはその場に崩れ落ちて涙を流す。  私はそんな彼を見つめて…。 「…ふぅーん?」  心底どうでもいいと思った。 「………」  今度はラザークが目を丸くする番みたい。  涙に濡れた瞳で私を見上げられても、私には関係ない話だし。…あ、やだ。指がささくれてるなぁ。 「…………貴女は、」  自分の指を見つめながら顔を顰めていると、ラザークは静かに何かを呟いてきた。 「…なんとも思わないのか?」  はい? ボソボソとよく聞こえないよ? 「え? あぁ、うん? なんか、大変そうだね〜?」  私が困ったように明るく笑ってみせると、ラザークの表情が抜け落ちたかのような無表情になる。  うわ、こわい! え、なに?
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