第14話(2) エピローグの行方

2/2
前へ
/320ページ
次へ
 この恋心が枯れるまで、どのくらいの時間が必要なのか今は分からないけれど、せめて君の側にいさせてくれ。せめて、その笑顔を見ていたいんだ。  シモン先輩、終わらせるために拳を下げましたが、どうやら俺の恋心がまだ許してくれそうにありません。  振り向かない君を想い続けてしまうなんて、俺はなんて救いようのない愚か者なんだ。  けれど、不思議と楽しいんだ。こんな甘い失恋もあるもんなのだな。  いいさ、今回思い知った敗者の気持ちを糧に俺はこれから大物になってやる。それこそ、レオンを超えてやれるかもしれないぞ…まったく、俺を振るとは。逃した魚はでかいぞ? その時は、俺がシャロンを迎えに行こうかな。  レオンの元へ駆けていく君の後ろ姿を見つめながらそんな事を考えて、クスリと笑いながら思う。  これは俺のための物語。たまには、そういったエピローグを迎えるロマンス物語があってもいいかもしれないな、と。
/320ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加