第14話(3) 君は世間知らずなお嬢様

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第14話(3) 君は世間知らずなお嬢様

「レオン!」  私がエリック様の元からレオンの元へ戻ってくると、彼はホッとした表情のあとに辛そうに顔を歪めて私に背を向ける。 「私の話を聞いて欲しいの、レオン」  隣にいたハリス様はやれやれといった様子で肩をすくめると、レオンの肩を軽く叩きエリック様の元へと向かった。  背の高いレオンの後ろ姿を改めて見つめる。  そよ風に揺れるその短い黒髪も、広い背中も、ガッチリとした腰も、鍛えられた長い脚も、全て私をときめかせる。けれどやっぱり、貴方の黄金の瞳で見つめられたいと思うの。 「レオンのことが好きです…」  ピクリと肩を揺らすレオンの耳が赤くなる。 「貴方と一緒にいたい」  こっちを向いて、レオン。
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