第14話(3) 君は世間知らずなお嬢様

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「けれど、俺はシェリーを平民にするつもりはない。俺が貴女の世界に行くから。だからそこで待っていて欲しい」 「レオン…!」  なんと言うことだ。そんな事が可能なの? そんな疑問も浮かぶが、私の答えは決まっている。 「はい。ずっと待っています。例えおばあちゃんになっても」 「おばあちゃん…痛いところをつかれるな……」  レオンは肩をすくめながらも嬉しそうに微笑んで、片膝をつくと私の手をとりそっと口付けた。 「俺の心臓を、貴女に捧げます」  それは騎士が恋人に…伴侶に送る、最大の愛の誓い。  私は震える手をレオンに差し出しながら言う。今度こそ、私は貴方の想いに応えるのよ。 「貴方の心臓を、受け取ります」  私は顔を真っ赤に染め上げて、魅惑的に微笑むレオンを見つめる事しか出来なかった。  そんな私を、彼は嬉しそうに軽々と抱き上げるのだ。
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