第16話(1) お嬢様の結論2

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「…お嬢様、もしかしてレオン様との関係を勘づかれたのでは…?」 「え…まさかそんな…。出かける時は必ずソフィも連れていたから大丈夫だと思っていたのだけれど」 「…もしかして、私でカモフラージュしようとしていたのですか? あれで? 隠しているつもりだったのですか?」  驚くソフィに私は首を傾げる。 「ええ、そうよ。我ながら完璧だったと思うわ」 「……自信満々なお嬢様も、お可愛らしい…」  …また私を子供扱いしているわね、ソフィ。 「…とにかく、私の偽装は完璧よ。お父様に知られるはずないわ」 「それならいいんですけど…」 「……俺は心配でならないんだけど。やっぱりちゃんと公爵閣下にお伝えしたほうがいいのでは…」  私とソフィの内緒話にレオンも参加してきた。 「レオン、お父様は頑固なの。今の私たちじゃお父様を説得することは出来ないわ」 「うぐっ…」 「でもレオンと離れることは考えられない。一緒にいたい! レオンもそうでしょう? だから今だけはお父様に知られないようにしなくてはならないの」  私の言葉に頬を染めるレオンを見つめてニコリと笑う。そんな私たちを見てソフィは「これで隠しているつもりだなんて…」と呆れたように呟いていた。
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