第16話(2) 公爵からの条件

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「……シャロン嬢、あまり家族に心配をかけるのは感心しないぞ」  と、ルーカス様に叱られてしまい、私は肩を落として落ち込んだ。そんな私をルーカス様は優しいながらも厳しい眼差しで見つめてくる。 「…好きだけではどうしようもならない事もある。少し、レオンの歩幅に合わせてやったらどうだ?」 「……レオンの、歩幅…」  私は思わずキョトンとしてしまい、ぱちぱちと瞬きしてしまった。 「レオンも頑張っている。シャロン嬢をアイツなりに愛そうと試行錯誤しているんだ」  ルーカス様の言葉に思わず顔が熱くなる。そんな中、ふとレオンはどうなったのかと気になった。 「あの…レオンは?」 「…公爵閣下とお話ししている」 「なんてこと!」  お父様とお話しだなんて! レオンだけお説教を受けているというの? 「あ! おい、シャロン嬢! 部屋から出てはいけない!」  と、いうルーカス様の言葉を背に受けながら私はお父様とレオンが居るであろう執務室へと駆け出したのだった。
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