第16話(2) 公爵からの条件

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『喜んで、お受け致します!』  迷いのない答えだった。 『………聖騎士玉団だぞ? 平民のお前でも、知っているよな?』 『はい、もちろんです! 騎士が憧れてやまない王に選ばれし聖騎士。俺は必ず、その候補試験に受かってみせます!』  私は感動のあまり、両手で口を覆った。お兄様やルーカス様は呆れたように、しかしとても嬉しそうに笑っている。 『他国を捧げずに済んで、良かったです…!』 『な、なんて!?』  最後のレオンのひと言に、お父様はとても驚いたようで、らしくない声をあげていた。  聖騎士玉団の候補試験を受ける為には、高位貴族の推薦状が必要だ。条件を出したお父様がもちろん、レオンの推薦者となる。閉ざされていたレオンの道がひらけた瞬間だった。
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