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「レオン!」
私は嬉しさのあまり、執務室の扉を思いっきり開いた。中で向き合っていた二人がこちらを見る。
「シャロン! お前は謹慎中のはずだろう!」
「お父様、貴方の娘は今、悪い子になります!」
私はそう言って驚くレオンに抱きつく。今回のことでレオンの愛の深さを知ったのと同時に反省した。
『レオンの歩幅に合わせてやったらどうだ?』
『君がそんなんじゃ、レオンが報われないな』
ルーカス様とお兄様に言われたこと、納得出来なかったけれど今なら分かる。
私たちの未来は、二人で足並み揃えて作っていかなくてはいけなかったのだ。先走って結婚を宣言してしまった今朝の私が恥ずかしい。
「レオン、好きよ! 愛してるわ!」
「シェリー、俺も愛してる。君は俺の宝物だ」
「やめろ! 父親の前でやめてくれ!」
青ざめた顔でお父様は「見るに耐えない! 二人とも部屋から出て行きなさい!」と言ったので、私とレオンは笑顔で手を取り合って執務室を後にしたのだった。
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