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第16話(3) 公爵の本音
「…私がシャロンに甘いだけなのか」
二人が出て行った部屋に取り残された父上が少し寂しそうにポツリと呟いた。
「さあ? それは父上にしか分かりません…が、私はどうしてもレオンに輝かしい未来を感じてしまうのです」
私はそう言いながら執務室へと入る。ルーカスも私の後に続いた。
「父上も、私と同じく彼に未来を感じたのでしょうか」
「…ふん」
クスクスと揶揄うように言えば、父であるナイトベル公爵閣下は拗ねたような表情でそっぽを向くのであった。
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