第16話(3) 公爵の本音

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「…しかし、ひとつ見落としている」 「はあ…」 「我が家がついに、『聖騎士』の称号を手に入れると言うことだ」 「…それって…」  父上は不確かな賭けはしない。レオンが『聖騎士』の称号を得るのだと、ある程度計算して確信しているのだ。おそらく後押しもしていくのだろうし。  それは、将来的にシャロンとレオンの結婚を認めると言っているようなものではないか。  …まあ、全てはレオンが入隊候補試験に受かってからの話なのだろうけれど。  不敵な笑みを浮かべてふんぞり返る父上を眺めながら私はクスリと笑ってしまう。  案外、先程のエピソードは本心で、本当に心を打たれていたのかもしれないな、と。
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