第17話(2) 月光の影にひそむもの

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「え? それは本当なの? 平民よ?」 「ううん…私も噂で聞いた程度なので確証は得ていませんけれども…」 「…でも、確かに…今日、レオンという平民が召していたもの…最高級の生地に他に見ない目新しい最高級デザインの正装で、ナイトベル公爵閣下がどれだけ目をかけているのかひと目で分かるくらいでしたわね」 「なんだか、学園で見かけた時よりも平民くささが抜けていて…」 「正直に言うと、かなり格好良かったですわね…」 「ええ、シャロン様が本気で羨ましく思えるくらいには…」 「……もしかしたら、本当に…公爵令嬢と平民が?」 「否定は出来ませんわ…」 「身分差の恋……この場でしか言いませんけれど、まるでロマンス小説のようで素敵…!」  僕はここまで彼女たちの話を聞いてから、そそくさとその場をあとにした。
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