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「は、あっ。はぁっ、はあ…!」
「シェリー、大丈夫か? うなされていたけど…」
何? 今の夢…胸が引き裂かれるほどに苦しい夢だった。怒りと嫉妬と、寂しさで身が焼かれるような…気が狂いそうになる、そんな夢。
「やめて、そんな目で私を見ないで…私を見て、私を愛して…!」
「シェリー?」
「どうしてあの子ばかり愛されるの…苦しい…苦しいわ…!」
「シェリー! しっかりしろ!」
まだ夢の中に囚われていた私の耳に、レオンの声が届く。その瞬間ハッと我に返り、今度こそ夢から醒めたのだった。
「レオン…」
「シェリー、おはよう」
ここは、私の寝室。ソフィの姿はなく、ベッドの横でレオンが椅子に腰を下ろしていた。
優しく微笑むレオンを見て、心の底から安堵する。かたく私の手を握ってくれている大きな手に、安心からポロリと涙がこぼれた。
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