第18話(3) 片想いの反撃

4/7
前へ
/320ページ
次へ
 ソフィはまだ戻ってこないし、私とエリック様はこの空間に二人きりとなる。  二人でお話しするの、とても久しぶりかもしれない。たしか最後に二人で話したのは、イーサン殿下が暴走したあの日の……。  そんなことを考えて、ふと気付く。そういえばあの日、エリック様に告白されたな…と。 「……い、いい天気ですね…」  急にとても気恥ずかしく思ってしまう。  告白されてから数ヶ月は経ち、あれから何度もエリック様とは笑い合っていて関係性が崩れているわけではないけれど、なんとなく、二人っきりになることが後ろめたい。 「そうだな。今日は秋晴れの空で気持ちがいい」  エリック様は今、何を考えているのだろう。特にもう気にしてはいないのかしら。 「…明日も、晴れる、かしら?」  しどろもどろにつまらない質問をしている自身に頭を抱える。そんな私を見てエリック様は「何を今更気にしているんだか」と爽やかに笑いながら言った。
/320ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加