第18話(3) 片想いの反撃

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「そろそろおやすみ、シャロン」 「………はひ?」  ぱさりとかけられた毛布。エリック様は元の定位置へと戻っていき、私は盛大に勘違いな妄想をしていたのだと気付いて恥ずかしさから火がでるほど顔が熱かった。 「くくっ…俺にキスされるとでも思った?」 「え!? そ、そんなことは…」 「お望みとあらばお応えしよう」 「な!? 揶揄わないでくださいっ!」  ひとしきり笑ったエリック様は、そろそろ学園に戻ると言って椅子から腰をあげた。 「…ああ、そういえばシャロン。俺からもひとつ伝えておく」 「はい、なんでしょうか」  去り際に振り返るエリック様を見つめ返すと、彼は意地悪な笑顔を浮かべていう。 「俺だって、最後までシャロンの味方だからな」 「…え、その話、レオンとの…」  ボッボッボッと顔が熱くなる。 「み、みみ、見っ…!?」  エリック様は慌てふためく私の姿を見て満足そうに笑うと、そのまま颯爽と去っていった。  最初から見られていただなんて! 一体、明日からどんな顔をして会えば……風邪、長引かないかしら…。
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