第19話(1) 記者X

4/6
前へ
/320ページ
次へ
 どうやら落ち込んでいるみたい。 「俺たちがシャロンの側でどんなに周りを探っても、記者Xの存在を認識出来ないんだ…」 「昨日の記事にあった、シェリーが学食のプリンを一口も食べることなく落としてしまった時も俺は隣にいたのに…人の視線には敏感な方だけど、まったく分からなかった…」  そんな二人にハリス様は「分かるよ」と言って続ける。 「ヤツは…記者Xはとんでもないスニークスキルの持ち主だ。僕がヤツを追ってまだ数日だけれど…認める、記者Xは天才だ。実はヴァネッサン伯爵家の権力を使って、間者たちを学園に紛れ込ませているんだけど、それでも捕らえられないんだからね」 「待てハリス…お前ん家の間者がこの学園に?」 「うん。学園側に知られたら大変だから秘密にしていてね」 「いや、俺たちを巻き込むなよ! なんで知らせてくるんだよ!」 「ははは、倒れる時は一緒だよ」 「おい!」  エリック様とハリス様は、やはり幼馴染ということもあって息がピッタリね。
/320ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加