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「ち、ち違います! そんなつもりは毛頭なく! 俺はただ、依頼がきたので記事を書くためにナイトベル公爵令嬢を日中だけこっそり観察させて頂いただけで…」
って、言ってて俺の行いが変態行為にしか聞こえない! どう言えばいいんだ!
「…依頼がきたのですか?」
「そ、そうです! 俺の意思ではありません!」
意外にも聞く耳を持ってくれている専属メイドに俺は必死に訴えた。
「その依頼主はどなた?」
俺と専属メイドのやり取りを黙って聞いていたシャロン・ナイトベルが口を開く。その声色は、ゾクリとするほどに冷気を含んだ冷たい声だった。
彼女を見れば、彼女の星空の瞳が細められ俺を見つめている。怒り。そんな星を見た。
「……言えません」
「何故ですか? このシャロン・ナイトベルの頼みでもですか?」
「…俺も、弱みを握られているからです」
もし俺の正体を明かされたら…。それを考えると、目の前で四大公爵家の権力で圧をかけてきたシャロン・ナイトベルよりもリリス・スイートラバーを優先しなくてはならない。
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