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「……なるほど。それは、問い詰めようとして申し訳ないことを致しました」
シャロン・ナイトベルは眉を顰める。
「ナイトベル公爵家は…このような人を貶めるような記事を書いて誇りを傷付けた者を絶対に許しません。絶対に見つけ出し、報いを受けさせます!」
彼女の手にはリリス・スイートラバーが書いたであろうあの醜聞記事。ギリっと強く握りしめられていた。
…だから言っただろう? リリス・スイートラバー。身にあまる望みは、身を滅ぼすと…。お前は、怒らせてはいけない人を怒らせたんだ。
「帰ります。マクソンさん、もうストーカー記事は書かないと約束してくれますか?」
「あ、ああ、はい。もう書きません。依頼が来ても、断ります」
「ありがとうございます」
先程の絶対零度はどこへやら…シャロン・ナイトベルは安心したようにふわりと笑顔を浮かべる。そして「これからもマクソンさんの記事を楽しみにしております」と言った。
「…少しでも楽しんで貰えるような記事を書いてみせます」
俺もまだぎこちなくではあるが笑って、美しき月の女神様に軽く頭を下げた。
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