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「分かりましたなら、今後はお気を付けくださいませ。男女のマナーを守ることは、お相手への心遣いと…」
「昨日、まるで姉が出来たみたいにとっても楽しかったので…ごめんなさい、シャロンお姉ちゃん」
『シャロンお姉ちゃん』。
その単語を聞いた瞬間に、私の思考は一瞬停止した。
「……いいのですよ」
「お嬢様…」
えっ、と息を呑むソフィ。
「さ、ここで立っているのもなんですし、中でお茶でもいかがですか? 『お姉ちゃん』がお茶を淹れて差し上げます」
「お嬢様?」
「昨日の絵本の続編も読み聞かせてあげましょうね」
「お嬢様!?」
自室の扉を自ら開きセドリック王太子殿下を部屋に招き入れていると、一連の流れを見て血相を変えたソフィが私を信じられないという目で見てきた。
「なにを絆されているのですかっ!」
ソフィ…小声のつもりなのでしょうけれど、セドリック王太子殿下に聞こえていると思うわ。ほら…殿下がこちらをチラチラと見ているもの。
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