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その後はシャロン嬢と夜の庭園を散歩して、星空を見上げながら星座について教えてもらった。
何故か、護衛騎士のレオンと私二人でシャロン嬢に習う星空講座は不思議な気分になりながらも楽しかった。
「初めて見つけた星には好きな名前をつけられるのですよ。とてもロマンチックだと思いませんか?」
シャロン嬢が楽しそうな声でいう。私は星空を見上げるシャロン嬢の横顔を見つめて、その煌めく瞳を眺めていた。
だったら、貴女のその星空の瞳の中にある星に名前をつける人は一体誰なのだろう?
「…私では、ないよね」
「セドリック殿下? 何か仰いましたか?」
「……うん、ちょっと寒くなってきたなぁって」
「まあ、大変! 早く屋敷に戻りましょう」
屋敷に戻って、シャロン嬢が幼い頃に何度も読み聞かせて貰ったという絵本を持ってきてくれた。
『姫と光の騎士』というタイトルの絵本で、悪い魔女に攫われたお姫様を光の騎士が助けに行くという王道な内容の絵本だった。
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