第21話(1) 同僚がデート中

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「その…つまり二人は、そういう?」  関係なの? と続けなくても二人は察してくれたみたい。林檎のように真っ赤になるソフィと、切れ長な目尻を下ろして優しく笑うマイケルさん。 「ち、ちがっ…」 「ああ、俺たち恋人同士なんだ」 「こ、こここー!?」  …ソフィ、驚き方がワンパターンだね。しかし、なぜ君が驚くのさ? 「ゼ…じゃなかった、マクソンさん! ちょっと、勝手なこと言わないで!」 「なんだよ、ソフィ。照れてるのか?」 「照れてなんかいない!」 「いつもみたいに、『マイク』って呼んでくれよ」  真っ赤な顔で怒った様子のソフィが「一度も呼んだことないでしょー!?」と、身を乗り出してなにやらマイケルさんに抗議していると、余裕の笑みを浮かべる彼はソフィの顎を指でクイッとあげた。  自然と見つめ合う二人…マイケルさん、なんて色気のある人なんだ! 僕が女性だったら、確実にときめいているな。…忘れて欲しくないのは、僕もここにいるんだけどなぁってこと。  愛称で呼び合うだなんて、恋人にしか許されないのに…ソフィ、君ってやつは…恋愛に関心なさそうな素振りを見せておきながら、実はいい男を吟味していたハンターだったんだね。
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