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「認める」
「え、お父様、今なんと…」
「シャロン、お前の意思を尊重する!」
「! お父様…!」
私はお父様に希望が通ったことで、喜びに顔をあげてお父様を見た。けれどもお父様とは視線は交わらず…お父様は青筋を立てながら写真を凝視し、膝に置いていた拳を小刻みに震わせていたのだ。お母様は手で口を抑え、見たくないと写真から顔を背けている。
「…シモン、殿下とこの令嬢が『密会していた』場面に出くわしたと聞いていたのだが…?」
「えぇ、父上。ですから、殿下とこの令嬢が『乱れた姿で密会していた』場面に出くわしたのです」
グシャリ。
お父様が写真を握りつぶす。
「旦那様、写真は何枚も刷っております。お気の済むまで、どうぞ」
優秀メイドのソフィはこうなる事を予見していたのか、殿下の浮気写真のストックを用意していた。
「こ、このような場も立場も弁えない下品な姿を…私の可愛い初心なシャロンに見せるなどと…!」
「父上。さらに殿下は絶望するシャロンに詰め寄りこう仰ったのです。『まだ入れる前だ』と」
お兄様の言葉を聞いた瞬間、お父様は握り潰していた写真を力一杯に破いた。ソフィの持つストック写真すらも奪い取って、一心不乱に破り捨てていく。
「こ、殺すっ、あのガキ!」
「お、お父様! 不敬罪に…!」
「あのガキの下半身にぶら下がったものを、俺自らが斬り捨ててやる!」
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