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「し、シモン様!?」
突然のことで驚きのあまり、私の声がひっくり返る。
「…ソフィ……ほんもの?」
いつになく甘さを含んだような声。私の身体は熱を持ち硬直したまま、シモン様の腕の中。
「それとも私が作り出した幻…?」
シモン様の両腕が私の肩を、そして腰に回され抱きしめられる。
「ふふ…なんて素敵な夢なんだ…」
よ、酔ってらっしゃるから夢か現実か混濁されているんだ! この状況、どうすればいいの!?
「ソフィ、会いたかったよ」
「え…?」
心臓が痛い。シモン様、なんて罪な人。泥酔シモン様の破壊力といったらもう!
「ねえ、ソフィ。なぜ私をくるしめるの?」
「え、え…?」
窓から茜色が差し込み赤く染まる仮眠室。
シモン様の宇宙のように煌めく瞳がとろんと私を見つめている。
くるしめる? えっと…なんのこと…?
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