第21話(4) 酒は飲めども…(以下略

1/4
前へ
/320ページ
次へ

第21話(4) 酒は飲めども…(以下略

「……………」  まず、カーテンが開いたままの窓から差し込む朝日で目が覚めた。次に小鳥のさえずり。ここまではとても気持ちの良い朝だと思えるのに、この強烈に痛む頭は……なんだ? 「二日酔いです、シモン様」 「…リチャードは何故そんなに平気そうなんだい?」  「僕、お酒に強い体質であまり次の日に残らないんですよね」と、暢気に羨ましいことを言ってくれるリチャードが、私に水とクスリを差し出してきた。 「二日酔いに効くスープがあるので、用意しておきますね」  渡されたクスリを飲み下しながらリチャードの言葉に耳を傾ける。彼が次に窓を開けて換気してくれたので、部屋に充満されていたアルコール臭が薄まり代わりに朝の爽やかな風が流れ込んできた。  すると次に気になるのは自身の体臭…。 「…風呂に入る」 「湯船の準備は整っております」  さすが、私の専属執事。
/320ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加