第7話(1) 気になる存在

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 取り乱れる心を落ち着かせるように、小さく深呼吸をした。鏡の中の私は少し情けない顔で、そして何かを切望しているような顔をしている。  …だって、私を見つめるあの綺麗な金色の瞳が、どうしても忘れられないのだ。  エリック様たちと歓談している時に時々感じる視線がある。私が何気なく目を向けるとそこにはレオンがいるのだ。彼はすぐに目を逸らしてしまうのだが…何よ、なんでそんな眼で毎回見てくるの。  私を拒絶したくせに、そんな恋焦がれたような瞳で見てくるなんて。  お陰で貴方のことが気になって仕方ないじゃない…。
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