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「お兄様、ご機嫌よう。何故私たちがここに居ると…?」
「先日、たまたまこの店に寄った時にアカシャに聞いたんだ。最近、毎週の休日にシャロンたちが店に寄ってくれるんだってね。会えるかなと思って立ち寄ってみて良かったよ」
お兄様は微笑んで、私と相席する。アカシャがすぐにお兄様の分の紅茶を用意した。
「それよりもシャロン。今日はまた驚くほど可愛いね」
「ほ、ほんとう? たまにはお洒落してみようと…嬉しいわ…!」
お兄様に褒められて、私は顔を赤くした。お兄様のお墨付きだもの、きっと、あの人も…。
「それにそのボンネット帽子の刺繍…シャロンが刺したのかい?」
「えぇ、気が乗って刺してみたの。どう?」
私の瞳の色に似た藍色のドレスとボンネット帽子。ボンネットには金色の刺繍糸でちょっとした柄絵模様を刺したのだ。
「まるで夜空に散らばる星々のようだよ。シャロンによく似合ってる」
ニコリと笑うお兄様に、私も嬉しくて笑った。ソフィがお兄様に「お嬢様自ら刺繍糸を激選したのですよ」と補足していた。
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