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お兄様に褒められた時よりも、嬉しくて嬉しくて、胸の奥底から何かが込み上がってくる。少し離れたところでアカシャが頬を染めて「まぁまぁ…!」と嬉しそうに笑っているところが視界の端に映った。
目の前の、私が今映し出す世界の中心にいる貴方へ。このまま時が止まればいい。ずっとこのままでいたいな。
昔本で読んだ愛の詩が、私の頭の中にいくつもスラスラと流れていく。
レオンに触れたいと思ってしまった。貴方に見つめられる程に、私はもう、自分のこの感情に鈍感になんてなれない。何て事のない一日が、レオンのせいで特別な日になってしまった。
「…剣技大会では、応援しております。だから、勝って奇跡を起こして下さいね。そして私に、レオンのことを教えて下さい…」
「…はい、必ず」
今日、レオンが初めて私に愛を囁いた。
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