殺人依頼はフリマで300円

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 私はもうお終いだ。これまで幸せになる為にこんなに頑張ってきたと言うのに神様はそんな私の事を簡単に見放した。  中学の時から不登校で、でも学校には通いたくてどうにか高校になって普通に通えるように努力をして、更に大学にまで進学した。もちろんその大学だってかなり頑張って勉強をしたので有名大学に入れた。東京の大学だったから夢の東京生活でも有った。  だから就職した会社も結構な大手企業で、仕事の忙しさに鬱になって病院に通う事は有っても、そこでの実績も十分だった。そんな所で私は旦那さんとなる人と出会った。  彼の家は江戸から五代続く名家の生まれで、会社の先輩で、仕事も出来る人だった。もちろん周りの女子社員はみんなが憧れていた人。私はそんな人と結婚する事が出来た。  そして私は彼の希望で専業主婦となるが、娘を生んで寂しさも無く、金銭的には生活も十分に安定していた。  旦那さんにはもちろん、お堅い家柄の姑さんにだってどうにか良い嫁となる為にどこまでも努力をしていた。それは自分の事を捨ててまでだったが、それは自分に帰ってくる事だから苦では無かった。  そして私達には息子が生まれて、子育てにだって奮闘した。姑からは教育をしっかりとのお達しだったので私は育児ノイローゼになってた。  それから三年、育児もやっと落ち着いてきた頃だった。落ち着いたと言えど、口を利く様になった子供と言えば躾が問題となってくる。躾に関しては、本を読んで、ママ友に相談して、専門家に相談して、最善を尽くしたつもりだった。  しかし、有る時夫とその両親さんとみんなで出掛けていると子供が急に車道に飛び出した。運も良かったのか車はその時は通ってなくて、私が慌てて子供の手を捕まえ引っ張った。その時子供は引かれた手が痛かったのか、泣き始めてしまった。 「道に飛び出しちゃダメでしょ! 車が来たらどうするの?」  その時私にはもし事故にでもなってしまったらそれからではどうもならないのだから、普段より厳しく叱って、それでも私の言う事を聞かないで泣いているので子供の両肩を掴む様にして、視線を合わせてあえて強く睨むと、 「遊ぶのは安全な所にして。あっちは駄目」  落ち着いた口調ながら厳しく言っていた。もちろん子供は怒られた事が解ったのでまた大泣きをして私から離れようと暴れる。  本人も納得した様だから、もう怒るのはこの辺にして今は私にも事故に会っていたらと言う怖さも有ったので子供の事を抱き締めようと抵抗する子供の事を制しながら引き寄せた。  でも、それは周りの人にとって衝撃の事だったらしい。私の声も強かったので、道を歩いていた人たちからは白い眼で見られて、なにより夫さえも私の行動に驚いていた様だった。  そして問題はもっと大きかった。 「ちょっと貴方! なんて事をするの! 大事な跡取りを虐待するなんて!」  姑のその言葉で私の人生はガラリと変わってしまった。  もちろんその時に姑は周りにも存分に聞こえるくらいに叫んでいたので、道行く人も、当然周りに居た舅さんや夫にも聞こえている。その一言で私は虐待親になってしまった。  もちろん私自身は今もこれまでも虐待をしたなんて思った事なんて無かった。ちゃんと虐待になる事も調べて、躾で叩いた事なんて全くない。いつだって言葉で叱ってそれも怒鳴りつける事なんて事も無い。この時はホントに驚いていたからで、それも私で大きな声だったと思ったので、ちゃんと二言目には落ち着けていた。  それでも周りからの意見は違っていた。私が感情的になって子供の手を強引に引っ張りそこで怒号を浴びせた。それでも飽き足らず説教を続ける様に見えたらしい。  完全に誤解だ。でも、私の味方は誰も居なかった。夫さえも。  元々夫は子育てに全く協力をしてくれない。それどころか子供と一緒に居る時間も少ない。会社から帰っても自分の書斎に居て子供を見ている時間なんて無かった。  そしてその日は直ぐに帰ってしまって子供は夫の両親の家に連れ帰られた。そんな事になっても夫は私と話もしないで書斎に引き籠ってしまった。  それからは私に子供の事は任せられないと言う事になり、更に離婚まで姑から進められると、夫はそれを承諾してしまった。  私はこうしてひとりになって更に虐待親で夫に捨てられたと言うレッテルを貼られてしまった。別にもう夫の事なんてどうでも良かった。でも、子供は私の宝物だったので諦めきれない。離婚調停では私も離婚自体は反対しなかったので進んで、夫側は裕福なので弁護士も雇って子供の親権を取ろうとして、私に対抗する手段は無かった。  私は普段から夫に見付からない様に子供を虐待していて、その時に会った遊びの怪我の跡や、子供の食事の時に食べ方が汚い事も私がまだ幼いからと寛容にしていた所もネグレクトにされて、生まれが西の方だから方言が東京の人には怖く受け止められそれも子供に対して心理的虐待にされた。  そして夫との離婚に関しては私も了承をしていた所も夫の家内としても失格の烙印を押されてしまった。  もちろん離婚は成立して、専業主婦で収入も無く、これからの生活もままならないだろうと親権は夫側の元へ取られてしまった。  こうして私は全て失ってしまった。  しかし、諦めるばかりでは無く、どうにか子供を取り返そうと必死に働いて生活を安定させようと思ったが、三年のブランクは想像以上に大きくて夫との格差は開くばかり。  何度か子供と会っていたのだったが、それも一年もしない内に夫は再婚をしたので、子供が幼い事も有って母親が二人と言うのも難しいと言われ、子供と会う事さえも許されなくなった。  そんな時だった。私は仕事に疲れ、ストレスを貯めるばかりの生活に負けてしまった。元不登校児で元鬱病の私が精神疾患者となるのは簡単な事だった。  段々と普通の生活も苦しくなって会社では虐待、離婚、病気、の全てで差別を受けてしまって辞めざるをえなくなり、それでも子供とは距離的にも離れたくないので実家に戻る事も無く、パートをしながらどうにか入院もしないで日々を淡々と過ごすだけの日々になっていた。  そんな時に私がネットである書き込みを見つけた。 『どんな悩み事も300円で聞きます』  それはフリマサイトで実際の物品じゃなくても悩み相談、占い、自作詩、なんかを売り買いできるものだった。そんな一つの商品。これは商売になっている。適当な返答しか無かったらそれは売り主の評価が悪くなって他の実物の売買にだって影響する。  ちょっと私はそれを頼んでみようかとも思った。理由はもちろん安かったのも有る。サイトの最低価格は300円。ちょっと考えながらも私は、 「別にどうなっても良いや。どうせ知らん人やし…」  そう思って購入ボタンをタップした。  すると出品者からは直ぐに返答が有って、プライバシーは必ず守る事をネット上ながら文面で送られて、相談方法をメッセージアプリ、電話、面談、で選択してくほしいとの事だった。  正直これは私はどれだって言い。メッセージなら気楽、電話なら真剣に話せる、実際に会ったら泣く事も出来るだろう。しかしまあ、取り敢えずは気楽にメッセージアプリにしてみた。  まずは私のこれまでの事を順序だてて説明をした。この取引には別に期間の制限も無かったので、事細かく私は自分の子供の頃からの問題を説明した。  それに対して返信は相槌が多いものの、時には相手から質問が有ったりもして、その日は夕方から話し始め基本は即レスで返していたのに夜もとっぷりと暮れていた。 「説明だけで夜も遅くなってしまいました。まだ、相談できますか? 可能なら別の日にしても良いでしょうか?」  私は一応明日はパートが有るので夜更かしを出来ないと思って遠慮すると、 「まだ相談にはなってませんからもちろん構いません。返信は直ぐに出来ない時も有りますが、出来るだけ時間を見付けて返します」  それにしても自分の事を誰かにサッパリと話してしまうとなんだか心が軽くなった様で、その日は良く眠れた気がして次の日の仕事にも足は軽く進めた。会社ではただ淡々と事務仕事をこなしている。まあ、実績は普通。  会社では一応私の事はオープンにしている。自分から宣言した訳では無いのだが、話をしている内に離婚や子供、更に鬱や元不登校児の事までも話になってしまった。別に私はかくすつもりも無かったのでそれは普通に話した。もちろん引いてしまう人も居たが、中にはそれを気にしてない様に振る舞ってくれる子が居た。しかし、そんな子の真実を聞いてしまった。  その子はただ周りに自分が良い様に見られたいが為に嘘を付いていたのだった。私はずっと騙されていたんだ。そう思うともう人を信じられなくなってしまう。この世界には誰も私の味方になってくれる人なんて居ないのだろうか。それで今日の良い気分は全て吹き飛んでしまった。  それからその子に文句も言えずに私は会わない様に帰路に付くと、歩いているうちに涙が流れてしまった。  私は駅のベンチにポツリと座ってスマホを開いた。 「話たい事が有るのですが、電話しても良いですか?」  気が付いたらそんなメッセージを送っていた。もちろん電話番号も添えて。  私は相談相手になにを話したいのかも解らなかった。ただこんな話をしたらこの人はどんな言葉を掛けてくれるだろう。そこに光明が有るのかは解らない。  そんな風にしていると見知らぬ電話番号から着信が有った。多分相談相手からだろう。そう思って通話アイコンをタップした。 「もしもし、相談を受け付けた者ですけど…」 「えっ!」  私はその声にビックリしていた。恐らく相手は暇な主婦辺りだろうと思っていたから。けれど、電話は男の声だった。 「お心当たり有りませんか?」 「いえ、私が頼みました。男の人だと思わなくて…ちょっとビックリしてました」 「そうでしたか、自己紹介もしてませんでしたからね。男だと相談しにくいですか?」 「そんな事は…」 「では、どうかしましたか?」  電話の向こうから優しい声が聞こえて、私はフッと落ち着けた気がした。それから私は相談相手の彼に今日の事を全て話した。  私が別に彼女の事を悪く思ってない事や、ショックだったのは嘘を付かれた事だったのを全て丸っと彼には話してしまった。 「それは怒っちゃっても良いんですよ。貴女だけが悪者になる必要は有りませんよ」  彼の言っている事は十分に理解ができた。確かにそうだろう。あの時彼女たちの話を聞いて怒鳴り込んでしまっても問題は無かったのだろう。でも、私はそんな事が出来る人間でも無い。そんな事も解っているから私は自分で自分の事を嫌っているのだ。 「相談じゃなくてお願いが有ります。聞いてくれますか?」 「うーんと、叶えられることなら」 「殺してほしい人が居るんです」 「…それは困りましたね…」 「やっぱりそうですよね…」 「因みに誰の事ですか? 隣の席の女の子、元旦那さん、元姑さん、若しくはその全員ですか?」  こんなバカげているとしか思えない私の話にも彼は付き合って話を聞いてくれていた。  しかし、私が殺したい人間はそんなに簡単な人達では無かった。本当に殺そうと思ったらもう全てを失った私にはそれも簡単にさえ思えていた。実際殺してしまったらそれはスッとするだろう。なら、それでも良い。でも、私にはそれよりも許せない人間が居た。 「ちがいます…」 「他に居るんですか?」 「ハイ…」 「誰ですか?」 「それは、私です」 「はい?」  彼は本当に意味が解らなかったみたいで、ちょっとポケッとしている返事が聞こえた。  そう、私が一番憎らしくキライな人間は私だった。嘘を付いた彼女を許せなかったのは私、どうしようもない元夫と結婚してしまったのも私、強い元姑に逆らえなかったのも私、愛しい子供の事も守れなかったのも私、そんな私を私は世界で一番嫌いでもう消し去りたい。それなのに自殺なんて恐くて出来ない。こんな風に思ってしまう私にまた減滅していた。  暫く彼の言葉に返答しないでいると段々と哀しくなり落ちていた。 「今、どこに居るんですか? 会いましょう」  ずっと私が黙っていると彼がそう言うので、私はもうどうなっても良いと思って今の居場所を伝えた。  それから暫くは自分の人生について考えていた。考えれば考える程に馬鹿らしい人生だったなと思って悲しくなりこんな人生を終わらせたくて、そして自分は必要の無かった人間なんだと思うととても苦しかった。  私がそんな風に考えて俯いているとそこに汚れたスニーカーがフレームインした。知り合いなのだろうかと思ったがその時にスマホが着信して音が鳴り始めた。 「やっぱり、そうでしたね。見つけましたよ」  聞いた事の有る声に私が顔をあげるとそこにはちょっと凛とした表情の若い男の子が立っていた。歳の頃から言えば多分二十代前半なのだろうが、幼さでは無い若い雰囲気が有って実際はもっと若く思える程、しかしその眼差しがしっかりしているのでそんな風に思える。ジーンズにTシャツの上にジャンパーとラフな格好ながらその男の子はどう見ても好青年だった。 「どちらさんですか?」 「貴方に300円で雇われたものです」 「そっか貴方がそうなんだ…」  急いだのだろう彼は頬に汗を流してそれを袖で拭いながら私の横に座って話し始めた。 「取り敢えず死のうなんて考えるのは辞めませんか? 死の世界だ楽しいものだなんて実際どうなのか解りませんよ」 「別に死後がどうだって良いの、取り敢えず今の私の存在を消したい。君みたいな子には解らないでしょうけど、私の人生って酷いもんなんだよ」 「大抵の人は少なからず悩んでますよ。僕だって」 「そう。まあ、良いわ。でも、私は死ぬよ。それは手伝ってくれない?」  そんな風に言って私はやっと彼の顔を見た。するとそこにはいつからかは解らないけど、彼が真っすぐに私の事を見ていた。とても透き通った綺麗な瞳が私の事を見ている。死ぬ前にこんな子と話せた事は私にとってラッキーでしかないのだろう。 「解りました。じゃあ、一度死んでください。その代わりそれは今の貴方が死ぬだけです。次の瞬間には蘇って新しい貴方になりましょう」 「あはははっ…偽善者の理想論ね。うん。そうなれば良いけど、多分もう駄目」 「なんで駄目なんですか? 人間はいつだって生き直せますよ」 「その考えは正しいのかもしれない。でも、私はもう直ぐ死んじゃうんだよ」  私はまだニコニコとして彼の事を見ていた。そんな彼は不思議そうな顔をしていたけれど、次の瞬間には険しくなった。そしてそれは正解だろう。 「もしかして、服薬自殺をしました?」 「うん。手持ちの抗うつ剤全部飲んだ。睡眠薬じゃなくても死ねるでしょ…」  私は普段から持ち歩いているSSRIと言われる抗うつ剤をありったけ飲んでいた。それは二十くらいは有ったから普段の二十倍の量になる。そんなのだったら普通の薬でも死んでしまうのではないだろうか。  それを話したら彼は私の腕を掴んで立たせようとするので「どうしたの?」と聞くと、 「取り敢えず吐きましょう」  そう言って力ずくで私の事を自販機まで連れて行くとそこでミネラルウォーターを買うと、有無を言わさずに私に飲ませた。 「ちょっと、私は死にたいの! 好きにさせて!」  私がどうにか抵抗してペットボトルを払うと彼は困った顔をしてから、次は怒った様に顔つきが怖くなる。 「バカな事ばかり言ってんじゃない! 俺の前で死なせない! …それに抗うつ剤では死ねないんですよ。胃が荒れたり、蕁麻疹が出るだけの苦しみしかないんですから、履きましょう」  彼にそんな事を言われて愕然としてしまった。私は死ぬことも許されないのかと。こんな事なら彼に言わないでそっと自宅で睡眠薬を飲んだら良かった。でも、それは怖かったんだ。  それから私は彼の言うままに水を飲んで近くの排水口で薬を吐いた。自殺を図った人間が薬を間違って男の人に看病されながら吐かされている。そんな姿は他人にでも見られたくも無かったが、気が付くと騒ぎになっていたので周りには駅員やギャラリーが取り囲んでいた。  その場は逃げるように離れて、私と彼は近くの会社街の道へと走った。昼間は人の多い所なのだろうが、今は疲れた会社員くらいしか居なくてとても寂しい場所になっている。そんな一角の花壇に疲れた私は座るので、彼は向かいに立っていた。 「もう、死のうなんて思わない様に!」 「そんなの約束できない。私にはもう生きる希望が無いの」 「どうしたら希望が見えるんですか?」 「…それは、」 「話してください…」 「…やっぱり子供と一緒に居たい。あの子の姿を見ていたい」  私はそう言いながら泣き始めた。元から私の底に有るのはそれだけだった。死にたくなんて無い。子供と一緒に居れるのが一番だった。 「じゃあ、そうしましょう!」 「…出来ないよ。そんなの」 「親権は元々は母親の方に付きやすいんです。貴方の場合は金銭的問題だったんでしょう。ならまだどうにかできますよ」 「でも、私は虐待したと思われてる。それも親権を取れなかった理由なんでしょ?」 「実際は虐待してないんでしょ? 児童相談所はそのくらい把握して家裁にも報告してますよ。だからあとは生活の安定だけ」 「だけど、それも問題だ。元夫の生活水準になんて勝てない」 「普通の生活水準で良いんですよ。自分だけで駄目なら、再婚でもして平穏で安定した生活にすれば良いんですよ」 「ハッ…それってもっと出来ないわ、私に恋人なんて居る様に見える?」 「じゃあ、作れば良いんですよ」 「簡単に言わないでよ!」 「簡単ですよ」 「相手も居ないのに?」 「俺じゃ駄目ですか?」 「はいっ?」 「別に子供の為だけに利用してくれても構いませんよ。俺と結婚して子供を呼びましょう」 「それって君にメリットが有るの? 慈善事業じゃない」  私が思った事をそのまんま言葉にすると彼は今までずっと真っ直ぐに私の事を見ていたのに俯いて更に手で顔を覆ってしまった。 「…俺もこんな事を言うのには勇気が要るんですよ。だから簡単に返事してくれても良いじゃないですか。好きだって言ってるんです。これもナイチンゲール現象って言うんですかね。貴方の話を聞いてから気に掛かって、今日会ったら素敵な人だと思って…だから真剣に援けたんです。そうしてたらもう目が離せなくて…」  そんな彼はとても照れ臭そうにしていた。すると私の心にちょっと懐かしい様なこれまで知らなかった思いがふんわりと浮かんでしまった。 「じゃあ良い様に利用しよう!」 「構いません。貴方がキライだと思ってくれたら捨てられたって」  彼はやっと顔から手を離して私の事を再び見詰めていた。  なのでそんな彼に私は飛び付いた。 「どうだろうね」  笑う私の言葉に彼が笑ったのはもうどのくらい昔の事になるだろう。私の元にはそんな彼に似た男の子が居るが、まぎれもなくその子は私と元旦那のあの子供だ。今日はその誕生日。  だけど、ご馳走もケーキも用意しながらもまだそこには手を付けない。それにはプレゼントをもって帰る人を待っているから。  そしてやっと彼が私たちの元に帰って息子も喜んでいる。  相談だけのつもりで出会ったのにこんなにずっとそしてこれからもずっと一緒に居るなんてあの時は思いもし無かった事と。 おわり
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