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ドアノブ
太陽の位置からするに、つまりキミは海の反対側にまで来てしまったと言う事になる。
ワタシは確かに「長かった」とは言っていたが。
それにしても海の反対側から来たとは驚きである。
その事実に気付くと同時に、キミが今まで歩いてきた道のりの先に大きな鉄扉が鎮座していることに気付いた。
どうやらそれは初めからそこにあったようだが、キミは海やら空を見ていたから目の前に鉄の扉が在る事に気が付かずにへたり込んだようであった。
鉄扉は高い壁に備わったもので、その壁はキミの視界が届き得る先端まで伸びており、どうやらこの扉を開けなければ先に進めないようであった。
逡巡はあったものの扉を開ける以外の選択肢は用意されていないように思えたので、扉のノブに手を伸ばした。
その時ふと頭の隅に過ったのはワタシの事だった。
ワタシはとても疲れていたようだったが、ちゃんと起きられただろうか。起きてゴミを拾っているだろか。ゴミが無いと夜を越せない。それをワタシは解っているのか。
今更に考えても仕様がない事だと割り切り、キミはドアノブを引いて鉄扉を開けた。
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