ベッド

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ベッド

 キミはワタシを家に招き入れることにした。なぜならもう冷酷な風が吹きつけてきたから。  見渡す限り何もない所だ。ここから見えないと言う事はワタシの家はさぞ遠かろう。キミはそう思い、ワタシを連れて帰ることにしたのだ。  家の前に着いて驚いた。  なぜならキミの家は大きくなっていたから。  単純二倍程度の大きさ。  いったいどうやって大きくなったのか?  ただの見間違いか?  疑問は様々(よぎ)ったが、とりあえずは中に入ることにした。  玄関の扉もノブが二つになっており、よく見れば観音開きになっていた。  本当にここは自分の家なのだろうかとキミは疑問に思いながらも、やおら扉を開けて中に入る。どこかよそよそし()なキミとは相反して、事情を知らないワタシは案内されるままに意気揚々(いきようよう)と入ってくる。  部屋の広さも倍になっているが、内装そのものは変わってない。例えばベッドは一つだし、暖炉(だんろ)も一つだ。その大きさも変わっていない。只管(ただひたすら)家のみが大きくなってしまっているのだ。
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