告白の覚悟

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告白の覚悟

「何食べたい?なんでもいいよ」 祥子さんが聞く 今日はゆきちゃんが友達と出かけていて暇してるから。と 相談に乗ってくれるという 「ほんとに何でもいいんですかぁ?」 「い、いいよ」 「じゃ、お寿司で」 「いいね〜」 いいんだ。さすがだ。 そうだ、相談の前に言わなきゃ 握りの乗ったランチプレートを半分くらい食べたところで 一旦箸を置き、姿勢を正して頭を下げる 「ありがとうございました。心配してくれてたそうで」 「あぁ、結局、何もしてないけどね。えっと、誰かに聞いたのかな?」 出石さんのこと、気付いてるのかな 「はい」 「なるほど。治療は順調そうだね」 「はい、もうすぐ終わります」 「ん、良かった」 「それで相談なんですけど・・・」 恋愛相談なんて柄じゃないんだけど 他に相談出来そうな人もいないしな 告白について聞いたら 「今、どういう状況なの?」と。 「日勤の時は一緒に帰ってご飯食べたり、休みが合えば出掛けたり。たまに泊まったり」 「ちょっと待って、それ...もう付き合ってない?」 「ん〜でも、治療終わったら告白するって言ってあるし」 「その状況で断られることないよね?とっとと告れば?」 「む〜」 そんな、あっさり? 「え、なんで?」 「告白は一大イベントじゃないですかぁ、やっつけ仕事みたいに言わないでくださいよ」 「あ、そうなの?ごめん」 「ちょっと年上なんですけど、大人の女性はどうされたら嬉しいですか?」 「ん〜・・・押し倒したら?」 思わず、手元にあったおしぼりを投げた 「もういいです。祥子さんに聞いたのが間違いでした」 ちょっとシュンとした祥子さんは その後 「素直に美樹の気持ちを伝えたらいいと思うよ。それが1番嬉しいと思う。いいなぁ幸せそうで、私も嬉しいよ」 と笑顔で言う やっぱりこの人は、タラシだ。
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