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しばらくは無言で座っていた
隣の祥子さんは、いつもより真剣な顔だ
そして話し出す
「もしも、ゆきが同じようなことで悩んでて気にしてたなら、私は悲しいな
私は、どんなゆきでも受け入れる自信はあるし。ゆきが嫌だって言うなら無理に抱いたりしないし。もちろん、それで嫌いになったり幻滅したりなんかしない。
美樹が好きになったあの人もそうじゃないかなぁ。美樹の気持ち、伝えてみたら?あれ?結局さっきと同じこと言ってる?」
ただの気休めじゃなく、ちゃんと考えてくれて伝えてくれた
胸がいっぱいになって
「そうですね」
としか言えなかった
祥子さんは
「ゆきも気にしてるのかなぁ」と呟いた
「え?」
「お腹の傷跡、私が付けたんだよ」
「あれは、傷じゃなくて祥子さんが救ってくれた証でしょ?私だったら誇りに思うよ」
「え、美樹?美樹の方が精神科に向いてるね」
「は?何の話ですか〜」
「よし、じゃ、もうちょっと付き合って」
「は〜い」
立ち上がって目的地まで歩いた
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