告白の行方

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告白の行方

デートの候補はいくつかあったけど 私たちは、遊園地に来た 美術館とか水族館とか もっと大人のデートっぽいのもあったのに 出石さんの希望は遊園地だった 「ジェットコースター大好きなの」と言ってた通り ずっと笑いっぱなし 全力で楽しんでる? まるで今日が最後みたいに… 「この歳になると、なかなか乗れないんだよね」 1人だと特に..と眉を寄せ だから嬉しい。と言って笑う 歳のことは気にしないで欲しい そんな思いを込めて 「子供みたいですねぇ」と、言ったら 「ホントだね」と目を伏せた 失言だったかも と気付いたのは少し後で 「可愛いですよ」と 小声で本音を付け足した ジェットコースターもフリーフォールも平気で 観覧車に乗った時も喜んでいた 「出石さんも、高いところ全然平気なんですねぇ」 「うん、大丈夫。っていうか好き!高いところからの景色とかね。苦手な人もいるよね?高所恐怖症?」 「ですよね。祥子さ..センセイも高いところ苦手みたいです」 「言い直さなくても良いのに」 「昔から知ってるので、つい」 「そうなんだ・・・もしかして好きだった?」 「え」 「ごめん、答えなくてもいいよ」 そう言って窓の外を見ていた そろそろ観覧車は1番上だ 「初恋でした。お姉ちゃんの同級生だったんです」 「そっか」 「中学の頃の話ですよ、まるっきり子供でしたね。完全な片想いだったし。そういえば“中坊の恋愛なんてママごとみたいなものだ”って何かの漫画に描いてあったなぁ」 「ふふ、可愛い」 「え?」 「中学の頃の河合さん、可愛かっただろうなぁ。今も可愛いけど」 「もう、また、そういうことを言って...」 「ふふふ」 乗り物はだいたい制覇して 敷地内にあるアウトレットモールをぶらぶらして 食事をして 楽しい時間はあっという間に過ぎていく 「そろそろ帰らなきゃね」 「そうですね」 「今日はありがとね。年甲斐もなく、はしゃいじゃった。それくらい楽しかったよ!」 笑顔で、そう言ってくれる 「私も...楽しかったです」 笑顔で返したつもりだったのに 「どうしたの?泣きそうじゃん」 「・・・少し話がしたいです。出来れば2人になれるところで」 「わかった。うちでいい?」 「はい」
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