告白の行方

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出石さんの部屋へ行き 温かいお茶を入れてもらった やっぱり落ち着くな、ここは。 「そういえば、ここで告白の予告しましたよね?」 「そうだったね」 「ずっと迷ってました。私なんかが出石さんに告白してもいいのかって」 「私は不安だったよ。ちゃんと告白してくれるかどうか。だって私、もうすぐ40だよ?」 「そんなの、関係ないです。好きな気持ちは変わらない…変わらないけど…」 「無理しなくてもいいよ。キャンセルしても構わないから」 と涙を拭ってくれた。 どうして出石さんの前では、こんなに涙が出てくるんだろ 甘えてるのかな そうか、甘やかしてくれてるのか 意を決して 私は服を脱ぎ始めた 「河合さん?」 「出石さん、私は本気です。でも、私の全てをちゃんと見て返事をください」 「触ってもいい?痛くない?」 今は放射線の影響で赤くなっているけれど痛みはない 「大丈夫です」 出石さんは、傷口にそっと触れ そこにキスをした 「え?」 「キャンセルされたら、私から告白するつもりだったよ。美樹ちゃんの全てを愛してる」 「い....ぃ..」 「よしよし」 出石さんは号泣する私を抱きしめてくれた 「泣いてばかりでごめんなさい」 「いいよ、美樹ちゃんが泣くのは、私の前でだけ。だよね?」 泣き止むまで、抱きしめたまま待っていてくれた出石さんに ずっと知りたかったことを聞いた 「出石さん、名前教えてください」 「え、言ってなかったっけ?真由美だよ」 「真由美さん、私と付き合ってください」 「はい」 予告通りのキスとともに。 ー了ー
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