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伝え忘れたが、オレはかなりの田舎に住んでおり、草むしりなど耕作のついでの余興のようなものであった。
高額に加えて、需要がなかった。
農家の、ジジイ、ババアには良く突っ撥ねられたものだ。
「そんなのいらせんわー」
ああ、忘れていた。
最近よく忘れる。
オレには兄弟がいる。
兄は海藻つかみ坊や。48歳。わかめの取れる海岸に頻出し、生息していたが、今では音信不通だ。
弟は野草めで坊や。39歳の前厄。
渾名のとおり、山野草や野草を愛でるのがこいつの趣味だ。
いま、こいつは山登りじーさん(61歳の本厄)と常に行動を共にしているので、衣食住には困っていないだろう。
ちなみに兄の海藻つかみ坊やは、小さい頃、耳に中耳炎用の耳カバーを良くしていたっけ。
話を本筋に戻そう。
オレの地域には需要が全くない。
しかし、オレは草むしりから離れられない。
なら、草むしりに困っている人間は世界を見渡せば幾らかいるのではないか。
その地球全体に共通するはずの草むしり難民に対し、オンライン授業をはじめることにした。
勝算はなかったが、オンラインならではの24時間態勢で、どんなときでも受講できるシステムならと思ったのだ。
そして、ここが肝心だが、貧しい国の人々や、本当に貧しい人にも気軽に受講できるよう1回30円で講義が受けれるようにした。
1回5分の講座で全15回の1回30円。全て通せば450円という構成ではあったが…。
ただ、全て受講しなくても、その途中で抜けられるシステムにしておいた。
物価の問題や為替相場の変動で影響を受ける人を鑑みた金額にしておきたかったというのもある。
大当たりだった。
草むしりに手間取っていたのは世界にごまんといたのだ。
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