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着信は私ので、表示は駿さんになってる。タイミング良すぎ。私の様子を空から見てるんじゃないかと思うくらいのタイミングで掛かってきた電話に、苦笑いしながら出る。
その内容は更にびっくりするものだった。
「雛?」
「駿さん、どうしたんですか?」
駿さんの声がどこか焦ったように聞こえる。それに、ノイズもなんだかすごく騒がしい。外で掛けてる電話だなと判断してから、私はとんでもないことに気が付いた。
――アナウンスが日本語だ。
「え、駿さん今、何処にいるんですか?」
駿さんは今日もロンドンにいるはずで、この電話は余りに不自然すぎる。私からの質問に、駿さんはふっと小さく笑って、こう言った。
「羽田に着いて、今から雛のとこに向かう。――まだ、実家にいるのか?」
は、羽田…?
「実家です。つーか今日帰ってくるとか…き、聞いてないんですけど」
「だから今、言ってるだろ。一時帰国してやっておきたいことがあるから、強引に休みもぎ取ってきた。向こうを出る時はまだ深夜だったから、連絡出来なくてすまない」
すまないじゃ、済まないでしょ~~~~~~!!!!
背後で聞き耳を立ててる3人の女友達の存在が無かったら、きっとそう叫んでた。
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