3人が本棚に入れています
本棚に追加
勘違い
「で?イヴリー海賊団所属で船長の昔馴染みのレベッカさんが、一体あたしになんの用事かしら?」
呆れたように口角を上げるチヨメに、レベッカの顔が怒りでみるみる赤くなる。
「何じゃないでしょ!この間ルイスに抱かれてたじゃない!」
え?と目が点になる一同。
「えっ?チヨメ……ルイスとデキてたの?」
どこから来たのか、シェリーが驚いた声をあげた。
「え?それはさすがにないでしょ」
これまたどこから来たのか、リュドミラも目が点になる。
「いや、ないよ。船長となんかデキるわけないでしょうよ。それよりどっから来たん?……あ、おはよう」
どこからか現れた仲間たちにひらひらと手を振るチヨメに、レベッカがまた叫び声を上げた。
「嘘つかないで!アタシ見たんだから!」
その叫び声を聞いて、じっとその様子を見ていたルイスが、ゆっくりとこちらに歩いてくる。
「何を見たの?俺たちがデキてるって?俺、チヨメのこと抱いてなんかないけど。被害妄想しないでくれる?チヨメも俺も迷惑だから」
「起こしてごめんね?とりあえず朝ご飯食べてきなよ。まだでしょ?シュウジ、チヨメにご飯食べさせてあげて」
さっきまでの苛立ちはどこへやら。くしゃっと笑うと、チヨメの背中をポンと押した。
「ありがとうございます……シュウちゃーん!ごはーん!」
ルイスの気遣いにチヨメはペコリと頭を下げて、シュウジの方に歩いていく。
「え?もうお昼だから……ブランチでいい?フレンチトースト焼いてやるよ」
シュウジがそう言うと、チヨメがキラリと目を輝かせた。
「マジっすか!シェリーちゃーん!シュウちゃんが、フレンチトースト焼いてくれるってー!」
レベッカの事など眼中にないチヨメに、レベッカが腰に刺していた剣を抜いた。
「アタシの話聞きなさいよ!」
剣を片手にチヨメの方に走るレベッカ。
「チヨメ!」
最初のコメントを投稿しよう!