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二人でカラオケ
二人でカラオケに向かう。
ソラが話してくれるのを待つ。ソラの前だと、私はなんだか受け身になっちゃう。
「美咲ちゃんと心が一緒の学校だから、安心だよね!」
「忘れ物とか借りられるから?」
「ううん、友達できるかなって不安だったから!」
思わずソラを見た。相変わらずノーテンキだったから、不安って言葉が出てくるとは思ってなかった。
「ソラも不安なの?私よりもなんでも話せるじゃん。」
「心とおんなじだよ。ちょっと不安で、でも皆と話したいからいっぱい話して、仲良くなってホッとするんだよ。」
「そう、なんだね。」
ちょっとだけ、ソラに共感できた。私とは違うんだって、勝手に思ってただけだった。
「今度シオンと遊びにいこ、私の友達で同じ2-2だからさ。」
「え、絶対行く!誘ってくれてありがと!」
「私も友達多い方じゃないけど、協力するよ!」
今更、ソラとの距離が縮まった気がした。すごく新鮮だ。
「ソラはジンジャーエールでよかったよね。曲入れといて~」
「おっ、覚えててくれたー!ココロダイスキー!ギュー!」
「はいはい、ギュー。」
ジンジャーエールとウーロン茶を取りに行く。ソラは流行曲をノリノリで歌ってそう。
「お待たせ~」
「ジンジャーもーらい!」
「曲、入れた?」
「うーん、迷ってる。最初はラブでいくか、燃えるアニソンでいくか、うーん。」
「迷ってるなら先入れちゃうよ。」
「あ、心の歌!早く聞きたい!」
曲名検索。最初は調子を整えたいし、持ち曲でいいかな。
「そいえばさ、美咲ちゃんとなんかあったの?」
「えっ?どういうこと?」
虚を突かれた。ミサキ、なんか変なこと言ってたのかな?
「うーん、なんだろ。心、前は美咲ちゃんスキスキ!って感じだったのに、今日は大人しいから。うまく言えないよぉ。」
あ、私の方かぁ。そんなのでわかっちゃうんだ。
「うーん、高校生になったからじゃない?確かに昔みたいにベタベタしてないけどさ、そんな変わってないよ。」
「そっか、ごめんね。なんか気になっちゃって。」
「ううん、じゃあ歌うね。」
「おー!!!」
歌いながら物思いにふける。私たちは変わったのかな。変わってないのかな。
ミサキは、本当はどう思ってるのかな。ココロには、どう話そうかな。
家について一人考える。
いつか、向き合う日が来るのかな。それは大変だなぁ。
それとも、このままなんとなく卒業しちゃうのかな。うーん、悪いことしてるわけじゃないし、それでもいいのかなぁ。
私はいったい、何に悩んでるんだろうなぁ。
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