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急患
俺は とある地方都市の総合病院に勤務する内科医だ
寒い冬の夜だった
午前1時頃 救急車で搬送されてきたのは 巨大なゴリラだった
「獣医に回せ!」
と 救急隊員に向かって 俺は叫んだ
すると 一緒に救急車に乗って来た 若い美しい女性が 半分 泣きながら
「先生 彼は人間なんです お願いします 診てやって下さい 私の愛する夫です 保険証もあります お願いします 夫を助けて下さい」
と 訴え 俺にすがりついた
どう見ても ゴリラにしか見えない その夫は 苦しそうに顔を歪め 低く唸り声をあげている
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