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白日夢…
僕はこんな風貌だし
引っ込み思案な辞書ヲタクでもあるから
当然奥手なチェリーボーイによく間違われる。
しかし僕は…
えっと…童貞では、ない。(照)
(それは以前にも話したと思うけど…)
18歳で初体験…は男子としては
早くも遅くもない感じなのかな…?
そして…この4年後、
僕はかつてない
そしてこの先もたぶんこんなことは
起こるはずもない
めくるめくような体験を…
実はしたことが、ある。
大学を卒業後、
僕は同じ大学の大学院に進んだ。
大学院では言語学の研究課程に進み、
日々文字の研究に没頭する日々を送っていた。
それでも大学院の授業は週に3日。
授業の合間にはよく大学の図書棟などにも
足を運んだりして
好きな勉強と合間のバイト(コンビニ)に
明け暮れる毎日…なはずだった。
その日も
大学の図書棟で
僕は言語学に関する文献を探していた。
棚の横に設置してあるPCの蔵書一覧を見ながら
文献を探していると
僕の横を誰かがすり抜けた。
同時にふんわりと香る
何か良い香り。
花のような…??
爽やかで
それでいて深く印象に残るような…
僕は思わずPCから離れて
その香りをたどって奥の棚に移動した。
一番突き当たりの棚の前に
髪の長い女性が、いた。
ふわふわとした柔らかそうな髪から
あの香りがしていた。
僕の気配に気がついたのか
彼女が振り返る。
抜けるような白い肌に大きな瞳…。
小さな唇は少し厚めだ。
あまり化粧をしていないのに
唇の横にあるホクロが少し
なまめかしい印象を与えた。
髪と同じようにふわりとした
ワンピースを着ていたが
サイドに深いスリットが入っているのか
白くて細い足が見え隠れする。
彼女の手には
僕が探していた文献が…
「あ…それは…」
初めはきょとんとした表情の彼女は
すぐに何かを察したらしく
唇の端を少し上げて微笑んだ。
口元のホクロも一緒に上がる…。
「あなたもこれを探しているの?」
少しくぐもった声。
「は、はい…」
「私もなの。レポで使いたくて…」
でもその本は1冊しか、ない。
少し開けてあった窓から風が吹いてきて…
彼女の髪とスカートをゆらゆらと揺らす。
ちらちらと見えるきれいな足…。
「良かったら…私の家で見ない?
これは借りていくから」
「え…??」
彼女が少し僕に近づく。
花のような香りが少し強くなる。
「…イヤ?」
「そんなこと…な、ないけど…」
「じゃ、決まりね。行きましょ?」
ふふっと笑う彼女に導かれて
僕は初めて会った彼女-ゆりの部屋に
行くことになった。
大学の最寄り駅から電車で3駅ほど乗り、
そこから少し歩いたところに公園がある。
ゆりの家はその公園を抜けた先にある
古い1軒家だった。
「ここに1人で住んでるの?」
「親戚の家なんだけど、今はアメリカにいるの。」
通された彼女の部屋には机と椅子と本棚、
そして1人には大きすぎるダブルベッド…
椅子は1つだけなので
「そこに座ってて」と言われ、
僕はどきどきしながらも
ダブルベッドの端に腰掛けた。
しばらくして
彼女がダイニングからお茶を持って
部屋にやってきて…
そのお茶を机に置くと、
カーテンをおもむろに閉めた。
「え…?ちょっと暗くない…?」
そのとたんに僕はゆりに押し倒され
僕の上に馬乗りになった彼女の唇を受けていた。
スリットから見える足が僕の腰に絡みついている。
彼女の舌がするんと僕の口の中に入ってきて
生き物のようにうごめく。
体中の血が逆流するような感覚に
僕は痺れたように何も動けなくなってしまった。
「文献を見せるお礼はあなたの体でいいわ」
「え…??」
「先にあなたを食べてもいいかしら?」
た、食べる…?????
その食べる…という言葉に
由野の「由野」が
反応してしまっているのがわかる
(あわわわわ…)
あっという間に僕は服を剥ぎ取られ
(うえ~~~~ん)
同時にゆりも生まれたままの姿になる。
ゆりは肌が真っ白で華奢な体つきだったが
胸のふくらみは意外にも豊かで
それにもドキドキしてしまった。
「由野くん…吸って」
言われるままに
僕は目の前にある
ゆりの胸の突起を口に含む。
「ああっ…」
僕の上でゆりが弓なりにのけぞる。
その間も
ゆりの手は由野の「由野」を
しっかりとらえていて…
すごい…
気持ちよすぎて意識が遠のいていくようだ…
僕の胸に唇を寄せるゆり…
あの厚いぽってりとした唇が
僕の胸の上を這う。
ぞくぞくとした感触と
波のように押し寄せる快感…
ゆりの顔がだんだんと僕の下におりていき…
味わったこともない快感の波が
僕を襲ったと同時に
僕は気を失った…。(恥)
目を覚ますと
僕は公園のベンチに座っていた。
もちろん服はちゃんと着ていた(ホッ)
胸にはあの文献を抱えていて…
あれ…???あれ???
ゆりは…??
公園の先に行ってもゆりの家はなかった。
いったい…何が…?
何が起きたんだ…?????
急いで図書棟に戻り、
文献の貸し出し先を探したが
僕が借りたことになっていた。
ゆりは忽然と
僕の前から姿を消してしまったのだ。
あれは…夢??
それともゆりは幽霊??
でも、あの唇の感触…
柔らかな胸の突起や
ゆりの舌のしなやかな愛撫…
そして花のような香り…
夢にしてはリアルすぎた。
「白日夢」
まさにこの言葉がぴったりだった。
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