オンライン霊界通信

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地下街の空きテナントスペースになにやらずいぶん地味なプリクラの機械が置いてあるなと思ったら、「霊界とのオンライン無人自動通信機」なんて書いてある。 「なんだこりゃ・・・胡散臭いな・・・」 すると、立ち並ぶ機械のうちの一台から、晴れやかな表情をした一人の男が出てきた。 「あの、すいません」 「はい、なんでしょう?」 「これって本物なんですか?」 「ええ、もちろんですよ! こんなものが発明されて、しかも誰でも自由に使えるなんて、素晴らしい時代になったものです!」 男はスキップしそうな勢いで帰っていった。 うーん、本当なんだろうか。 すると、今度はおばあさんが、涙を拭きながら出てきた。 「どうされたんですか」 「いえ、十年前に死に別れた妹と、まさか通じ合えるなんて。嬉しくて、ついね」 「相手は本物だったんですか?」 「ええ、間違えるはずがありませんとも。おかげで、こんなに元気になりました。ありがたいことです」 機械自体はとても怪しいけど、おばあさんが嘘を吐いているようにも見えない。ドッキリのカメラも仕掛けられている様子はない。
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