頭上からの声と神様の機嫌

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「やっぱり…ビビらないって嘘じゃん」 狐少年がもう一度言い放つ。 「嘘じゃない!ビビってなんかいないから!」 「いやいや、さっき驚いてたじゃん?」 含み笑いで狐少年は言う。 私はその輝くような微笑みにたじろぎつつ、言葉を返す。 「おっ、驚くとビビるは違うんです!」 「どういう風に?」 「ビビるは物怖じ、驚くは驚くだよ!(?)」 いつのまにか狐少年に対して緊張は解けていた。 よくわからない私の説明に二人で吹き出す。 「なんだよそれ」 「私にも解らない…」 蛍光灯の電灯に照らされながら私達はしばらくの間笑っていた。
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