ドジな少女

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ドジな少女

「まじか…」 午後6時半。 私は習い事の帰りでいつもの道の前に佇んでいた。 冬になったこともあり、辺りはすっかり夜道と化している。 視線の先には大きく『工事中』と書かれた鉄の板が立ち塞がるように立ち、 その後ろには私の背などゆうに越す高い金網に巻き付いた緑と赤のライトが 暗い夜道の中で私の目を刺していた。 工事の人は居らず、車どころか自転車も 降りて通らなければならないこの道では 通して貰うことは不可能であった。 「はぁ…」 私は溜息を一つつくと、回り道を決意した。 いつも自転車で通る道に足を向けた私の耳に楽しげな声が聞こえてきた。 振り向くとそこにはいつも素通りしている道があり、 保育園から帰る途中の親子の姿があった。 私の頭の中で閃いた音がした。 『この道使えば早く着くんじゃない!?』
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