ドジな少女

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そちらの方に走り出したものの、 昔に一度通っただけの道を覚えている筈もなく…。 「こ、ここどこ…」 いつの間にかおかしな道に迷い込んでしまった。 右に行ったら行き止まり、左に行ったら人の家。 戻ろうともどの道から来たか解らなければどうしようもない。 ともかく左手の人の家に聞きにいこうと足を踏み出せば、 こんな真冬の夜中にどこからか風鈴の音がする。 どこからかと辺りを見回すと頭上から白いものが落ちてきた。 「うぎゃっ!?」 よくよく見れば桜なのだが、不気味さが加速した私の心にとって それは見るに耐えないものだった。 慌てて逃げ出した途端… 「イッタッ!」 足の付け根に、見えなかった錆びた黄色いポールがクリーンヒット。 そのままバランスを崩し、コケてしまった。 「今日どんだけ運悪いの…」 そう思い立ち上がろうとすると、 「これからもっと運悪くなるから気を付けてね〜」 と、上から声が降ってきた。
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