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茶色の瞳に金色の毛並み。
毛の一本一本まで櫛でとかれたように美しく、
頭から尻尾にかけて白くなっていくグラデーションはこの世のものではない程に見事だった。
私はその華麗さに圧倒され、ポカンと口を開けていた。
それどころか危うくスマホまで取り落としそうになり、慌てて正気に戻った。
そう。そこにはなんとも美しい一匹の狐がいた。
「え?え??」
動揺する私をよそに狐はこちらをジッと見つめてくる。
あまりにも長く見つめてくるものだから段々気まずくなってきた。
「やめてよーそんなに見つめたら惚れちゃうぞ☆」
そう言った途端狐が一歩下がったように思えた。
え、引かれた?まじ?悲しいんだけど???
そんなことを思っている間に狐は一回転ーーまさかの縦回転だったーーをし、人間の姿に戻った。
どういう仕組みなのか煙が出るのは狐になる時だけらしい…
じゃなくて!!!
「よ、よよよ妖怪!!!!????」
「そうですけど。」
狐人間(?)はそう言って意地悪そうに笑った。
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